活版印刷で名刺を

2016年10月20日木曜日

活版印刷で名刺を

以前から欲しい欲しいと思っているものがありました。
それは名刺です。

私は会社勤めですので、会社から支給される名刺はあります。しかし、欲しいのは個人用の名刺なのです。

というよりも、活版印刷で個人用の名刺を作りたいという気持ちがありました。



そもそも活版印刷とは?

ざっくりというと、古い印刷の手法であり、金属の型にインクを塗って押し付けて印刷する手法を指します。特徴は、細い線が非常に綺麗に出ることだと思っています。強く押す(型を押し付ける)と紙に凹みが生まれ、凹凸 感が生まれます。さらに強く押しますと裏側に凸が出ます。(昔は調整不足とされていたようですが、今は味としてわざと取り入れたりするようです)

活版印刷で名刺を作ろうと決めたきっかけ


たまに活版印刷のものを見かけたりしますと、そのキレの良さに感銘を覚えておりました。というわけで名刺が欲しくなっていたのですが、いかんせん使い道がありません。そういうわけで長らく名刺が欲しい欲求を封印していたのであります。


ところが、写真のワークショップに参加した際に、自己紹介や人脈づくりを考えますと、名刺があった方が話が早いですので、名刺が欲しいなぁという気持ちが再燃したのでした。また、ブログをはじめたことで、店舗での撮影をさせてもらった時に、自己紹介とブログの紹介、ここに載せてよいですか?というやりとりがしやすい等の理由もあり、製作に踏み切ったのです。

活版印刷の名刺ってどこで作れる?



現在では、そもそも活版印刷を扱っている業者は少ないです。ただ、ネット申し込みが可能な業者もあるので、そこに頼む方法もありました。もしくは有名人も多く利用しているという東京銀座の中村活字さんにお願いするという手もありました。

しかし、やはり紙や印刷について直接対面して相談しながら決めたいものです。それが楽しいというのもありますからね。というわけでいろいろと調査をしていると、知人の紹介により浜松に扱ってくれる方がいるということで、時間を取っていただいて打ち合わせをさせていただきました。



この方は、専門の印刷屋さんではないので、定型のようなものはなく、ゼロからいろいろと決めなくてはなりません。 また、データ制作まで頼むとアップチャージとなってしまいます。そこで、自分で文字を並べ、サイズを調整してお願いする運びとなりました。

『文字を並べる』という行為なのですが、バランスや位置を変えると、途端に変と言いますか、まとまりがないようになってしまいます。デザイナーとはなんともノウハウがあるものだなぁと思いながらチャレンジしました。

最初に載せたように縦型のデザインとして、一応、黄金比パターンに照らし合わせて配置しました。


当初は、横型でごく普通の配置や、すべて右寄せなど考え、一応縦デザインも作ったうえで、サンプルを印刷してみたのですが、某店主(しかも2人)に『縦型の方があなたっぽいよ』と即答され、縦にしたのでした。


完成したデザインをお渡しし、紙の選定を行いました。その時の写真が上のものです。様々な紙の中から選んでゆきます。表面の凹凸の大きい物、なめらかな物、毛羽立ちの多い物、薄い物、厚い物、色がオフホワイトや生成り、茶色や黒まで様々です。

文字色に関しても相談させていただき指定します。


というわけで再掲ですがこのようになりました。


できあがり


縦型で、真ん中が、どーんと空白です。『こじらせ感』全開です。個人用の名刺だからできる、攻めた配置だと思います。仕事用でやる勇気はないですね。

左上にはブログタイトルと本名。
右下にはブログタイトルとアドレスのセット。あとメールアドレス。(メアドは掲載に当たりぼかしてあります)

活版印刷の良さだと考えているキレが分かりやすいように、細く小さな文字でまとめました。これは紙の質感勝負ということで主張しすぎないという理由もあります。

紙は比較的厚い物を選定しました。また、紙表面に凹凸はあるものの、やりすぎない範囲のものを選びました。これは真ん中の空白で素材感が強調されるため気を付けたポイントとなります。

文字色は墨黒っぽい黒で、真っ黒ほど強くないものを使っていただきました。

押圧は裏側にわずかに影響が出る程度にしてもらいました。

完成した時は、表面を撫でたり、斜めから見たりと、傍から見れば気持ち悪さ全開でしたね。(苦笑)

さすが活版印刷で、小さな文字にもキレがあり、端正です。私とは大違いだ(苦笑)

作っただけでは意味がないので、これを活用できるように、どんどん活動していきたいと思います。そして足りなくなったらまた作ってもらえるぐらいになりたいですね。



打ち合わせの帰り道は、綺麗な夕日が出ていました。


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